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いっさのしょ

魯山人書論

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人書論』。同一底本的分册已合并为一书。收入:一茶の書、覚々斎原叟の書、春屋の書について、南浦紹明墨蹟、人と書相。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,161 字 · 11 页

青空文庫

今は茶道の中、点茶の形式が辛うじてその面影を残しておるが、肝腎かなめの善知識を得るところの根源とも申すべきまごころが、ほとんど跡を絶ってしまった。真剣が影を薄くしたこの書は、必ずしも、茶家一流格の墨蹟ではないが、今の世に、せめてこれくらいの字ができる人格者が茶道界に現われると、茶儀に対する誤解もなくなり、国粋というようなことも鮮明になり、殊に審美上のことなどは、如何に有益に進展するかを思わずにはいられない。

とにかく、茶道に入ると、入ること深ければ深いに随い、ものの見方が精密になる。従って、表面のみに陶酔するような杜撰から救われるようだ。この筆者は茶道第一の名家、千利休を相承する表千家三代覚々斎原叟である。

今を距る二百二年前、享保十五年六月二十五日、五十三歳で永眠している。この墨蹟を按ずるに、おそらく晩年の作であると思われる。(昭和六年)