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たいとあかだこ

鯛と赤蛸

佐藤 垢石

「釣趣戯書」三省堂、1942(昭和17)年

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 1,249 字 · 3 页

青空文庫

飯蛸より少し大きなものだ。漁師は、これを赤蛸と称するのだと説明した。

その後、私は手繰網で捕った赤蛸を数杯買い求めて、鴨居の鯛舟に乗り、鴨居式の鯛道具で、観音岩の五、六十尋の深さの釣り場で試してみたが、とうとう赤蛸には、大鯛が食いついてこなかった。

一度や二度の試験では分かるまい。誰か、東京湾内の鯛に、一本鈎につけた赤蛸を食いつかせて貰えまいか。

瀬戸内海の鳴門付近の職業漁師が餌に用いるのは、足長蛸という蛸の足であるらしい。なんにしても、蛸で鯛を釣るのはむずかしいのかも知れない。自然の生活では、腹が割けるほど、蛸を貪り食うのに……。