轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
在线阅读島木 健作《鰊漁場(にしんぎょじょう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,483 字 · 49 页
漁夫たちは身軽になるために、今はやむを得ずその鰊を海中に抛棄しなければならなかった。
霙は吹雪とかわり目もあけて居れないぐらいに吹きつけて来た。天も海も真黒に塗りつぶされた闇のなかに、カンテラの光りがかすかに明滅し、海鳴りと風の咆哮とが、その音を競い合った。
瞬間、ふたたび小山のような大波が来た。
ちょうど源吉の乗っている舟だった。九天の高さから真逆様に叩きつけられる刹那、思わず目をつぶった源吉は、耳元にかすかにあッという叫び声を聞いたとおもった。――大波がすぎ去り、ほっと息をついて船中の闇を見まわしたとき、彼は急にぞっとした寒さを襟元に感じた。
「おーい、」と彼は大声で叫んだ。
「おーい、」と舟のなかの仲間はすぐに答えた。
人々は闇のなかで互いに呼び合った。しかしその声は源吉を加えて四人だった。一人足りないのだ。漁夫のうちで一番年長の、このごろ神経痛になやんでびっこをひいていた、六助という親爺だった。
それと知った人々は、こんどは暗闇の海に向って叫びはじめた。船端から身をのり出すようにして、声を限りに叫んだ。返事はなく答えるものはただ風と波のおとだけだった。