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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

在线阅读内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 页

青空文庫

この事を話せば際限もないから、ここらで止めて置くが、そんな考えがその頃から出来て、遂に今日に至っても変らないのである。

十八年の末に森有礼氏が文部大臣となって兼て抱いていた学事の改革を実行せらるる事になった。この人は凡ての法令の案文は自分で書く風なのであったが、それを修正して発表するには辻次官からの命でいつも私が筆を執った。私はこれ以前一等属より進んで准奏任御用係というのでいたが、この際更に文部権少書記官に昇進した。翌年は伊藤博文氏の総理大臣の下に官制その他の大改革をせらるる事になったので、更めて文部省書記官となり、而して往復課長となったのだが、規則の制定や改正などというといつも私は特別にそれに関係した。

森文部大臣の自分で法令案を書かるる事は前にもいったが、なお学事の方針や施設の心得等に関しては、絶えず各地方を巡回して当局者に親しく講演され、それを筆記したものを印刷して一般へ示さるる例で、この文章の潤色も多く私が担当していた。忘れもせぬ、廿一年紀元節の憲法発布式の日、私は大礼服がないので、――以前拝賀には借着した事もあれど――不参をしていたが、右の大臣の講演筆記の潤色用を急がるるので、特に文部省へ出勤し折からの大雪の寒冷を忍びて、筆を執っていると、俄に電話が掛り、大臣が負傷されたとあったから、急に車を