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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

在线阅读内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 页

青空文庫

去年不首尾で帰ってから一年たったので、元来父は藩では才力のあった方ゆえ、長く休ませて置くでもないということになり、それにしても、父は頑固な方ゆえ、京都あたりの留守居でもさせたら、少しは角が取れるだろうとの考えから、こういう役をいい付かった様子である。

京都の留守居といえば、禄高も増し、よい地位であり、首尾直りの上からは目出度いのであるが、家族等はとかく国を離れることを厭がり、江戸に居てさえ帰りたい帰りたいといっていたほどであるから、今度の京上りも、家族等のためには憂であったのである。私も何だかやや馴染んだこの藩地を離れるのが厭なようであり、親友と別れることも残惜しかった。

親類等が遣って来ては、我々家族を慰め、長いことではあるまい、そのうちまた藩地へ帰ることになろう、と慰めた。父は別に嬉しいとも悲しいともいわぬ性分であったから、唯黙って京都行きの準備をした。唯、私の文武の修行を怠らせるのを残念がって、長くなるようなら父の実家へ私を預けて修行させることにしよう、といっていた。

八月いよいよ三津から藩の船に乗って、京都をさして上ることになった。三津までは親類も送って来た。