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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

在线阅读小金井 喜美子《鴎外の思い出(おうがいのおもいで)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 127,675 字 · 254 页

青空文庫

『明星』は当方へも新年に投稿可致旨申来候。然し何も遣すべきものも無之候。近頃井上通泰、熊沢蕃山の伝を校正上本せしを見るに、蕃山の詞に、敬義を以てする時は髪を梳り手を洗ふも善を為す也。然らざる時は九たび諸侯を合すとも徒為のみと有之候。蕃山ほどの大事業ある人にして此言始めて可味なるべしと雖、即是先日申上候道の論を一言にて申候者と存候。朝より暮まで為す事一々大事業と心得るは、即一廉の人物といふものと存候。偶々感じ候故序に申上候。荒木令嬢の事、兎も角も相迎候事と決心仕候。併し随分苦労の種と存候。夜深く相成候故擱筆仕候。草々不宣。

十二月五日林太郎

小金井きみ子様

賀古氏の手紙

『冬柏』の昭和五年十月号の消息欄に、賀古鶴所氏が与謝野氏に宛てた、次のような手紙が出ています。

『冬柏』第七号の消息中に、月夜の村芝居、向島奥の八百松に催した百選会の帰るさに、月の隅田川を船にて帰られたくだりを拝読して、今より五十年余り昔の事を思い出でました。それは同学中に緒方という温厚な少年がありました。月の夜に柄になく散歩を誘いに来ました。そのまた兄さんは月に酔う人で、或秋の夜に兄弟両人して月に浮かれて、隅田川より葛飾にわたり、田畑の別なく、ひと夜あるき廻り、暁に至りケロリとして寄宿舎に帰って来たことがありました。