轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろてぐみ

黒手組

江戸川 乱歩

「新青年」博文館、1925(大正14)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,978 字 · 36 页

青空文庫

私は一応伯父の耳に入れて置く方がいいと思いましたので、早速彼の邸を訪ねました。伯父夫妻は相変らずお題目を唱えて御祖師様を念じていましたが、事情を話しますと、それは大変だ。明智までも賊の虜になって了ったのではあるまいか。探偵を依頼したのだから、こちらにも十分責任がある。若しやそんなことがあったら明智の親許に対しても何とも申訳がないとあって、伯父を始め騒ぎ出すという始末です。私は明智に限って万々へまな真似はしまいと信じていましたが、こう周囲で騒がれては、心配しない訳には行きません。どうしようどうしようという内に時間がたつばかりです。

ところが、その日の午後になって、私達が伯父の家の茶の間へ集って小田原評定をやっている所へ、一通の電報が配達されました。

フミコサンドウコウイマタツ

それは意外にも明智が総州の千葉から打ったものでした。私達は思わず歓呼の声を上げました。明智も無事だ。娘も帰る。打ちしめっていた一家は俄に陽気にざわめいて、まるで花嫁でも迎える騒ぎです。

そうして、待兼ねた私達の前に、明智のニコニコ顔が現れたのは、もう日暮れ時分でした。見ると幾分面やつれのした富美子が彼のあとに従っていました。