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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《いたずら小僧日記(いたずらこぞうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,226 字 · 128 頁
広間へ行った時には、靴がギュウギュウ鳴って弥喧しい位だった。燈火が沢山ついている。其処此処に綺麗な花が飾ってある。ピアノを弾く人も来ていた。乃公はアイスクリーム、菓子、蜜柑、ジェリー、サイダ、サンドイッチ等の事を考えたら涎が出た。是は決して乃公が食辛抱だからじゃない。何人だって風邪をひけば咳が出る。悲しい事を考えれば涙が出る。甘い物の事を想えば涎が出る。当然の話だ。賤しいなんて言えば酷い目に会わしてやる。姉さん達は白い着物を着て、平常より何倍美しいか知れない。頭に花を※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)している。乃公の耳を引張ったりしそうには見えない。
其中にお客様が見え始めた。知合の婦人連は大概集った。時計が九時を打った。しかし男の客は一向姿を見せない。森川さんが一人来たばかりだ。乃公は胸に覚えがあるから、少々足が慄えて来た。
ピアノ手は幾度もピアノを弾いた。婦人連は仕方なしに、婦人同志で組んで躍った。が、女ばかりじゃつまらないと見えて直きに罷めた。時計が九時半を報じた。乃公は益※(二の字点、1-2-22)慄えて来た。