輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
線上閱讀高見 順《いやな感じ(いやなかんじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 頁
「俺の娘をどこへやった」
と、照子の父親の猪沢市太郎にどなりこまれた。いやにりゅうとした三つ揃いを着こんだ、一見シロシ(紳士)風の、そのくせ言葉使いは下品な男だった。正直に言わないとただじゃおかないぞとすごむのである。
「そんなに大事な娘なら、なぜガセビリなんぞにしたんだい」
娘をガセビリにしといて、そんなに大きな口がきけるのかと、俺も負けてはいなかった。
「ガセビリ……?」
「淫売だい」
「知ってら、そんなことは」
「知ってて、娘をガセビリにするとは、ひどいオヤジがあったもんだ」
「そいつは俺も知らなかったんだ」
「俺が娘さんに会ったときは、もうガセビリになってたんだ。可哀そうに……」
「俺はちっとも知らなかった。だから俺は満州から出てきて娘を探してるんだ。娘をどこへやった?」
「知らねえよ。もう手遅れだよ」
言いながら俺は、この父親の出現のせいか照子が、俺の心からすーっと遠のいて行くのが感じられた。
「誰かにもう、どこかへ売られちまったよ」
「売ったのはお前さんじゃないのか」
「冗談言うない。いくらコゲ(零落)たって、スケコマシ(女を売り飛ばす)をするような俺じゃねえ」