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おけらになったはなし
おけらになった話
小川 未明
線上閱讀小川 未明《おけらになった話(おけらになったはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,798 字 · 8 頁
神は、自分の創造したおけらが、いま道を歩いてゆくのを、じっと青い空からながめていたのです。
ちょうど、このとき、美しい花嫁を乗せた自動車が通りました。花嫁は、金銀・宝石で、頭や、手や胸を飾っていました。そして、はなやかな空想にふけっていました。その自動車は、町の方から、同じ道をこちらに向かって走ってきたのです。
神さまが、はっと思うまもなく、自動車は、おけらを轢きつぶして過ぎていってしまいました。このことは自動車の上に乗っている花嫁も知らなければ、ただ神さまよりほかにはだれも知らなかったことです。
神さまは自分が悪かったと感じられました。そして、罪もない、おけらの一生としては、あまりに、みじめであったと思われました。
「やはり、人間にしてやったほうがいい。」と、考えられて、おけらは、特別のおぼしめしで、人間にされたのであります。
男は、ふと目をさましました。すると、自分はよくないことをして、捕らわれて、牢屋の中におりましたが、鉄の牢にもいなければ、また実際、自分が魔法を使って、牢屋の中から消えるなどということはあり得なかったことでした。
あるとき、自分は、そんなことを空想したことがあります。