輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おじさんのはなし

おじさんの話

小山 清

線上閱讀小山 清《おじさんの話(おじさんのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,232 字 · 42 頁

青空文庫

おじさんは手先の器用なたちで、観世縒りなども上手だった。おじさんが観世縒りでしっかり綴じてくれた台帳に、私たち配達はめいめい区域のお得意の名前を書き込むのであった。月のおしまい頃になると、おじさんのお手製になる翌月の新しい定数台帳が、もうすっかり完成していて、店の間の羽目板に打ちつけてある釘の頭に、区域の号数順にぶらさげてある。月が変って月はなお得意の数が落着くと、私達はその月の定数をきめ、そして台帳に記入するわけなのだが、つい億劫にしてそのままにして置くと、おじさんは店の黒板に、たとえば、

「四号、七号。定数台帳に記入して下さい。」

というように大書するのである。私達の店の区域は八つに分れていて、一号から八号まであったのだから、二人だけが記入していないわけである。この黒板の注意書きを見て、七号が記入したとすると、黒板の字は次のように変わる。

「四号。至急、定数台帳に記入すべし。」

実は四号と云うのは私が配達していた区域の名称であるから、いまなお台帳に記入しないでおじさんに世話を焼かせている人間は私ということになるのだが、私は横着な男だから、おじさんにこんな風な相談を持ちかける。