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おりつとこらと

お律と子等と

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《お律と子等と(おりつとこらと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,195 字 · 51 頁

青空文庫

」

慎太郎は姉の言葉の中に、意地の悪い調子を感じた。が、ちょいと苦笑したぎり、何ともそれには答えなかった。

「洋ちゃん。お前今夜夜伽をおしかえ?」

しばらく無言が続いた後、浅川の叔母は欠伸まじりに、こう洋一へ声をかけた。

「ええ、――姉さんも今夜はするって云うから、――」

「慎ちゃんは?」

お絹は薄いを挙げて、じろりと慎太郎の顔を眺めた。

「僕はどうでも好い。」

「不相変慎ちゃんは煮え切らないのね。高等学校へでもはいったら、もっとはきはきするかと思ったけれど。――」

「この人はお前、疲れているじゃないか?」

叔母ば半ばたしなめるように、癇高いお絹の言葉を制した。

「今夜は一番さきへ寝かした方が好いやね。何も夜伽ぎをするからって、今夜に限った事じゃあるまいし、――」

「じゃ一番さきに寝るかな。」

慎太郎はまた弟のE・C・Cに火をつけた。垂死の母を見て来た癖に、もう内心ははしゃいでいる彼自身の軽薄を憎みながら、………

六

それでも店の二階の蒲団に、慎太郎が体を横たえたのは、その夜の十二時近くだった。彼は叔母の言葉通り、実際旅疲れを感じていた。が、いよいよ電燈を消して見ると、何度か寝反りを繰り返しても、容易に睡気を催さなかった。