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からすとうさぎ
からすとうさぎ
小川 未明
線上閱讀小川 未明《からすとうさぎ》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 2,237 字 · 5 頁
お正月でも、山の中は、毎日寒い風が吹いて、木の枝を鳴らし、雪がちらちらと降って、それはそれはさびしかったのです。
「ほんとうに、お正月がきてもつまらないなあ。」と、からすは、ため息をつきました。
「町の方はにぎやかなのだろう。ひとつ出かけてみようかなあ。」と、しばらく木の枝に止まって、考えていましたが、そのうちに、そう心にきめて、遠い町の方をさして飛んでゆきました。
どこを見ても、雪の野原で真っ白でした。だんだん町が近づくにつれて、道の上に人通りが多くなりました。雪道の上を歩いていくものもあれば、そりに乗っていくものもあります。
また、お正月のご馳走を造るために、魚を運ぶそりもあれば、みんなの喜ぶみかんや、あるいは炭や、薪のようなものや、塩ざけなどを積んでいくそりも見受けられたのでありました。
欲深なからすは、なにを見てもほしいものばかりなので、もしや、このあたりになにか落ちていはしないかと、あたりを見まわしながら、あっちの木、こっちの木とうろうろ飛びまわっていました。
すると、町からすこし離れたところに森があって、そこに一軒のりっぱな家があり、煙突から煙が上っていました。