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こころ
こころ
線上閱讀夏目 漱石《こころ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,915 字 · 322 頁
九
先生の多くはまだ私に解っていなかった。話すと約束されたその人の過去もまだ聞く機会を得ずにいた。要するに先生は私にとって薄暗かった。私はぜひともそこを通り越して、明るい所まで行かなければ気が済まなかった。先生と関係の絶えるのは私にとって大いな苦痛であった。私は母に日を見てもらって、東京へ立つ日取りを極めた。
九
私がいよいよ立とうという間際になって、(たしか二日前の夕方の事であったと思うが、)父はまた突然引っ繰り返った。私はその時書物や衣類を詰めた行李をからげていた。父は風呂へ入ったところであった。父の背中を流しに行った母が大きな声を出して私を呼んだ。私は裸体のまま母に後ろから抱かれている父を見た。それでも座敷へ伴れて戻った時、父はもう大丈夫だといった。念のために枕元に坐って、濡手拭で父の頭を冷していた私は、九時頃になってようやく形ばかりの夜食を済ました。
翌日になると父は思ったより元気が好かった。留めるのも聞かずに歩いて便所へ行ったりした。
「もう大丈夫」
父は去年の暮倒れた時に私に向かっていったと同じ言葉をまた繰り返した。その時ははたして口でいった通りまあ大丈夫であった。