輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さるすべり
さるすべり
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さるすべり》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,095 字 · 24 頁
多紀勘兵衛が天守からおりて来て云った、「騎馬隊のあとからだいぶ徒士がはいって来ました、どうやら夜襲の構えとみえます、用意を致して置きましょうか」かれはうんと云ったきりだった。「まだ隊の持場もきまらず、銃隊と弓組の割当てもございません、いまのうちにきめて頂きたいと存じます」「……そうだな」かれはゆっくりと答えた、「だがまあ、とにかくめしにしよう」
食事のときにかれはふいと自分の子供のことをはなしだした。隊士たちは夜襲のことがあたまにあるのでそれどころではなかったが、治部介はゆったりした調子で、いかにも楽しそうに笑いながら話した、「おまえたちも知っているとおり、荒雄川はなかなか癖のある川だ、急流というほどでもないのに、淵や淀が多くて、到るところに下へひき込む瀬がある。伜はまだ七歳の小坊主だけれども、手作りの※(「竹かんむり/措」、第4水準2-83-70)であの川へとびこんでは魚をあげてくるそうだ、この春などは鮭を四五十尾もあげたそうだ」「これは初耳です、あれへ鮭が登りますか」「はて、鮭ではなかったか」みんな思わず笑いだした、そしてそれがきっかけのように、みんな気持がほぐれ、つぎつぎと故郷の話をだしはじめた。