輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《しじみ河岸(しじみがし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,438 字 · 51 頁
現在では支配並という上位の席におり、人望もあるし、信頼されているようでもあった。
「保証できないと云ったが、あれなら大丈夫だ」と律之助は自分に呟いた、「あれならきっとなんとかしてくれるに相違ない」
組屋敷の自宅に帰った彼は、もういちど、丹念に口書の写しを検討した。
事件はこうである、――いまから二た月まえの七月七日、ちょうど七夕の夜であったが、深川冬木町の俗に「しじみ河岸」と呼ばれる堀端の空き地で、夜の十時ごろに殺人事件が起こった。殺されたのは卯之吉といって、二十五歳になる左官職。殺したのはお絹という二十歳の娘であった。兇器は九寸五分の短刀、傷は肩と胸と腹に五カ所あり、胸の傷が心臓を刺していて、それが致命傷だった。
娘は差配の源兵衛に付添われて、十一時ごろに平野町の番所へ自首して出た。そして明くる朝、八丁堀から町方が出張して訊問したところ、すらすらと犯行を自白したので、口書を取ったうえ小伝馬町へ送った。――卯之吉は冬木町の源兵衛店に住み、伊与吉という父親がある。お絹も同じ長屋の者で、勝次という父と、直次郎という弟があった。勝次は四十八歳、三年まえから中風で寝たきりだし、弟の直次郎は白痴であった。