輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
線上閱讀佐藤 垢石《『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 頁
その夜、山家では山鳥の汁で、手打ち蕎麦を馳走してくれた。それから四十年の月日は過ぎたが、その時の榛名の鳥蕎麦の味は忘れられない。
食後、松の沢の部落から、前橋方面に大きな火事が火の手をあげるのを発見した。あとで聞いた話だが、それは前橋市立川町の敷島屋が焼け、逃げおくれた男女が七、八人、無惨の死を遂げたということであった。
山上の榛名湖にも、いろいろの想い出がある。華やかな火口原の花野の果てに、漂う水の湖辺に糸を垂れて大きな鱒を引っかけた釣悦は、なににたとえよう。青銀色の艶に光る鱗のなかに、丸々とした肉脂を蓄えた鱒の風味に添えて、一盃の麦酒、まことに物豊かな想い出だ。
氷上の公魚釣りも、趣が深い。釣りあげて氷上に放つと、忽ち棒のように凍った公魚は、細かい鱗の底から、紫色に光る艶を放って、鮮麗な小魚である。天ぷらによし、塩焼きによし、汁物によし。
伊香保温泉は、二つ岳の背後にあって、南方の平野からは望めぬが、私は十七、八年前、幼くして夭折した二男のやまいをここで養ったことがあった。丈夫でいれば、予科練へでも入ったか、特幹でも志願したか。特別攻撃隊の卵にでもなっていたであろう。