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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

線上閱讀佐藤 垢石《『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 頁

青空文庫

三尺から六尺ほどの間隔。熊の手が私のからだに届く一歩手前のところでぶっぱなすのが、最も正確で安全であると思います。

しかし、熊撃ちをはじめた最初のころは、随分怖ろしくて、からだががたがたふるえたものです。そのため幾度が撃ち損じたものですが、この頃は度胸が据わったためか、撃ち損じということはありません。幸いのことに、今まで幾度か危険な場合に遭遇したこともありますが、一度も怪我したことがありません。これは私の身が軽く、咄嗟の間に身をかわすことができるからだと思います。

二

二、三年前、こんなことがありました。猫岳の裏山の崖になっているところです。そこで穴を見つけました。入口は直径五尺ほど、なかなか深い穴です。臭いを嗅いでみると、たしかにいる。

穴の入口で火を焚いて穴のなかへ煙を送り込みました。熊は煙にむせると、穴から飛び出すものです。私は穴から四、五尺はなれて鉄砲を構えて待っていた。

矢庭に、穴の入口に顔を出した。大物です。四十貫もある巨熊です。私は、熊の額へ銃口を押しつけるようにして、引金を引いた。ところが、不運にも不発なのです。

私は二連銃は使いません。