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とんまのろくべえ
とんまの六兵衛
下村 千秋
線上閱讀下村 千秋《とんまの六兵衛(とんまのろくべえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,821 字 · 8 頁
すると、かたわらに座っていた家来の一人が、
「恐れながら申し上げます。当人はあだ名をとんまの六兵衛とか申し、生まれつきの馬鹿者のゆえ、かかるものを切っては殿の刀のけがれ、いかがなものでしょうか、もう一度外のことをうらなわせて、それで当たらずば殿の前にて拙者が真っ二つにいたしましては。」
殿様も、これにも一理があると思いましたのか、さっそく六兵衛を次のうらないに取りかからせました。
殿様はこんどは、手のひらに何やら字を書きました。そしてその手のひらをかたくにぎって、言いました。
「こりゃ六兵衛、汝が盗人でない証拠を見せるために、余の手のひらに書いた文字を当ててみよ。うまく判じ当てたならば、のぞみ通りの褒美をとらせよう。判じそこねた時は、汝の首は汝の胴にはつけて置かぬぞ。」
さあこんどこそ、六兵衛も死にものぐるいです。どうかして考え出そうとしましたが、もとよりのろまでとんまなのですから、とうてい考え出せません。のろまのとんまでなくとも、これを判じ当てることはちょっと出来ないことでしょう。六兵衛は急に悲しくなりました。このまま自分は殿様に殺されるのかと思うと、涙が出て来ました。