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なつかしまれたひと
なつかしまれた人
小川 未明
線上閱讀小川 未明《なつかしまれた人(なつかしまれたひと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 5,245 字 · 11 頁
町の運輸会社には、たくさんの人たちが働いていました。その中に、勘太というおじいさんがありました。まことに、人のいいおじいさんであって、だれに対してもしんせつであったのであります。
若いものたちがいい争ったりしたときは、いつもおじいさんが中にはいって仲裁をしました。
「まあ、すこしのことでそんなに怒るものでない。ここに働いているものは、いわば兄弟も同じことだ。たがいに力になり、助け合うのがほんとうだのに、争うということはない。すこしくらい腹がたつことがあっても忘れて、仲よくしなければならない。」といいました。
おじいさんに、やさしくいわれると、だれでもなるほどと思わずにはいられませんでした。そして、自分たちのしたことがまちがっていたと気づくのでありました。
おじいさんは、また仲間が、病気にでもかかると、しんせつにしてやりました。自分の家を離れて、他人の中で病気にかかっては、どんなに心細いことだろう、そう思って、できるだけしんせつにしてやったのであります。
こうした、おじいさんのしんせつは、みんなに感じられたので、いつか自分の親のように思ったものもあれば、またいちばん親しい人のごとく考えたものもあったのでした。