輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はたしじょう

はたし状

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《はたし状(はたしじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,525 字 · 39 頁

青空文庫

英之助は馬耳東風といった態で、みよの悪口を微笑でうけながした。いやな顔をしたこともなかった。……第二はそんなところにもつくづく敬服したものである、学問もできるし武芸も抜群であった。第二は単に兄事したというだけでなく、心から信頼し兄事していた。しのを貰いたいがどうだろうか。こう相談したのも、両親のほかには英之助ただ一人であった。

――その藤島がこんなことをする、二十年ちかい友情を裏切り、自分のこれほどの信頼をふみにじる。……ではこれまでは猫をかぶっていたのか、沈着な考え深そうな顔をしながら、心のなかではそんな刃を研いでいたのか、人間はそんなことができるものか。

第二は藤島を憎むと同時に、人間ぜんたいに不信と憎悪を感じた。

――もう国へは帰るまい。

彼は藩主の帰国のとき、昌平黌に学ぶことを願って、江戸に残った。父はこちらの傷心を察したのだろう、あのとき以来なにもいってよこさなかったが、彼が江戸に残ることに定ると、母からは頻りに手紙が来た。もちろん和田のことには少しも触れない、帰心を唆るつもりだろうか、故郷の山河を描いたり、誇張した四季の眺めや、彼の好きな川魚や山菜果実の季節の知らせなど、母としては精いっぱいのあやを綴って。