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ふたりのおばさん

ふたりのおばさん

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《ふたりのおばさん》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,817 字 · 10 頁

青空文庫

」

「人間は大きくなるとみな忘れてしまうから、だめ。あんたはそうじゃないにしてもね、ふつうは皆そうなんですよ。」

おばさんのいうことが、リョウヘイにはおとならしいことだったので、子どもを信じてくれないものたりない、たよりなさが、感じられた。

リョウヘイがしかられていると、おばさんは向かいの家から、すぐ飛んできて、自分の家につれて行った。そしてリョウヘイの母にこういうのが常だった。

「ごめんなさいといっていますから。」

リョウヘイは決してごめんなさいといった覚えがないときでも、おばさんはリョウヘイにかわってこういった。そしておばさんは引きずるようにして、うちにはいると、べつに何もいわないで遊ばしていた。リョウヘイはおじさんのカンナくずで舟をつくったり、美しい紙のようなカンナくずをあつめたりして、あそんでいた。

おじさんはおこるようにいった。

「子どもばかりしかったってなんにもならないじゃないか、ほころびひとつ縫ってやるじゃなしさ。」

おばさんは例ののんきそうにいった。

「あの人はあの人でいいのさ。子どもだって大きくなるんだから、一生しかっているわけにいかない。