輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

へちまのき

へちまの木

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《へちまの木(へちまのき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,120 字 · 58 頁

青空文庫

おるいはそのようすをたのしげに見ていて、お味が薄かったかしら、ときいた。

「わからないな、なにしろ粥なんて、覚えてから初めて喰べたんでね」と房二郎は茶碗を置きながら云った、「しかしうまかったよ」

「よかったわ、それだけあがれば大丈夫よ」おるいはゆきひらや茶碗を盆に移しながら、その代りに燗徳利と盃と、肴の小皿を二つ膳へのせた、「でも気をつけてね、やけになって、飲みたくもないのに飲んだりしてはだめですよ」

「おれが叱られてるみてえだな」と木内は首をすくめて云った。

おるいが去ると、房二郎は手酌で酒を一杯注ぎ、飲もうとはせずに、さあ聞こう、と緊張した顔つきで云った。

「話してもむだなんだがな」木内は酒を啜って云った、「いや、話すほうが諦めがつくかもしれねえな、云っちまおう、――記事のたねを金にするというのはな、古い手だがゆすりなんだ」

「ゆすりだって」

「金持のうちの内情をあばいて、これこれの記事を瓦版にして売り出すんだが、お宅の名を書かなければならないので、あらかじめお知らせをしに来た、ともちかけるんだ」と木内は云った、「大店や金持ともなれば、世間に知られたくないようなないしょ事が、二つや三つはあるもんだ、金で済むことなら世間に恥をさらすことはねえからな、その記事を買いましょう、ということになるわけさ」