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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《イデオロギーの論理学(イデオロギーのろんりがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 頁

青空文庫

そこで人々は民衆の概念を思い起こす必要がある、民衆こそ大衆に最も近い概念である。民衆は然るに、常に被支配者を意味する政治的概念であるだろう、支配は政治の根本性格である。それは単に法制的にではなくして又物質的に、政治支配を受けるものの集団を、被支配階級を、云い表わす言葉ではないか。そこで大衆は又、この被支配階級の名である(大衆に対立するかの非大衆が何であるかは、おのずから明らかであるだろう)。――だがこう云ってもまだ之は大衆の一応の概念にしか過ぎない。大衆の性格は、かの圧倒性と高度の水準は、何処へ行ったか。

茲まで来てもまだ吾々は、大衆概念をただ一般的に語って来たに過ぎない。というのは、大衆の概念は、歴史の任意の・あらゆる・段階に、通時間的に通じるような、そういう一般的条件の下にのみ、取り扱われて来た。今や、歴史の夫々の現段階――歴史に固有なこの原理――という特殊な条件の下で、而も今の現段階のものとして、夫は最後の決定を受けねばならぬ。かくして大衆が現段階に於て持つ処の、歴史的・政治的・使命が、大衆概念の最後の規定として決定されるであろう。――今之を決定したとしよう、さてその使命の遂行に必要な物質的基礎こそ、大衆のかの量の上の圧倒性に外ならず、この使命の意識的自覚こそ、大衆のかの質の上の高き水準に外なら