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イデオロギーのろんりがく

イデオロギーの論理学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《イデオロギーの論理学(イデオロギーのろんりがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,463 字 · 229 頁

青空文庫

のみならず、ジャーナリズムを産み又それから産れる処の、ジャーナリズムの顧客である公衆なるものが、元来大衆ではなかった*。実際、公衆――読者・読書界・聴衆・ファン・等々――は政治的な組織性を有つものではない、組織性を有たないものは大衆ではなかった。ジャーナリズムは往々想像される処とは異って、であるから決して大衆のものではないのである。科学のジャーナリズム化は実際、その顧客である公衆なるものの性質を通じて、或る範囲或る時期の内では、大衆の組織化に与らないのではないが、一旦この限界に到着すると、この公衆の同じ性質を通じて、却って実質上は大衆の組織化を解体し、従って間接にまたは直接に、非大衆――反大衆――の組織化に与る、そういう機能を有ちはしないか(今日代表的と考えられる大新聞や評論雑誌を見るが好い)。商品としての科学の顧客である公衆が、大衆を非大衆にまで裏切ることの出来る性質を、元来持つからである。――さて科学のジャーナリズム化がそういう一定の機能を営み出す時、そこに見出されるものは、大衆並びに非大衆の側に於ける科学の俗流化であるであろう。俗流化という言葉は直ちに反価値を云い現わしている言葉であるが、その反価値とは、ジャーナリスティックな公衆を媒介として、大衆を大衆となす代りに之を非大衆にまで非大衆化し、かくして