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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《イデオロギー概論(イデオロギーがいろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 頁

青空文庫

のでなければならない、この関係は亦発展・前進・法則でもなければならない、と彼は主張する*。――実際、現象学的な所謂本質に、この意味に於て可変的な性質を与えるのでなければ、歴史的社会的存在の「現象学」的分析ほど、無意味なものは又とあるまい。

* Probleme, S. 12.

精神は衝動の上部構造である、歴史的社会――それはシェーラーによれば要するに人間生活である――の根本動力は、従来の有態で露骨な観念論の体系とは反対に、精神ではなくて却って生物的な衝動であった。精神は今やその限り少くとも衝動の前には譲歩しなければならない。

そこで精神はシェーラーによって、極めて謙遜な役割を振り当てられることとなる。精神それ自身は、根本的には可能的な文化内容を実現する力とか働きとかいうべきものを少しも持っていない。それは単に文化内容の可能的な様態を予め決定出来るだけである。精神は本来から云うと、文化内容の決定要因ではあっても、決してまだその実現要因ではない。この可能的な文化内容に選択を施すことによって、之を実現に齎す処の要因――その意味に於ては消極的な実現要因――は、精神自身ではなくて、却って実在的・な衝動による・生活諸関係なのである*。