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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《イデオロギー概論(イデオロギーがいろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 頁

青空文庫

真理に対して歴史が持つ決定力、歴史的原理は、シェーラーにあっては問題となることが出来ない。コントの思想自身がシェーラーによれば、歴史的発展段階に相応するものでなくて、却って云わば何等か地理的分布に関わるもののようである。実証科学を知識の最高形態と考える実証主義は、彼によれば偏狭な「ヨーロッパ主義」に外ならないのだそうだからである。ここでは彼は至極コスモポリタンらしく物語る。ヨーロッパ人の知識のみが知識の標準にはならない、と。併しこのコスモポリタンはただ、インターナショナルであり得るものは科学だけで、哲学は国民的・民族的でなければならない、という主張をするためにのみコスモポリタンであらねばならなかったのである。コスモポリタニズムは実はインターナショナリズムの否定であり却って民族主義の弁護なのである。コスモポリタニズムとインターナショナリズムとのこの可なり苦しい対立の矛盾は、コントの実証主義が何かの意味で――コント自身の認める通り――階級性(この歴史的原理)を持つことを否定しようとするためにこそ発生する。コントの実証主義は一つの階級――コントに於ける歴史のこの実践的原動力――のものではなくて正にヨーロッパ人のものである、とそう云わねばならない理由が何処かに在ったからである。