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『ぐりむどうわしゅう』じょ
『グリム童話集』序
金田 鬼一
線上閱讀金田 鬼一《『グリム童話集』序(『ぐりむどうわしゅう』じょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,101 字 · 8 頁
として学術的にもすこぶる貴重な文献となった。
『グリム童話集』が始めて出版せられたのは、わが国の文化九年、すなわち西暦一八一二年(第一巻)および一八一五年(第二巻)で、話の数は一五五篇に過ぎなかった。ここには、その後の決定版をさらに増補して、計二四八篇を移植する。
かのムゼーウスを鼻祖とする「おはなし」の型(制作童話)は、題材を口碑にかりて作者自ら空想をほしいままにするもので、筆者自身がいわば口碑伝説の創造者ともなり得るところから、時に教訓、時に諷刺を目的とするような「おはなし」が生まれることもあるが、グリムにあっては筆者の作為は毫も加わっておらぬ。ところで、ここに「おはなし」と称するものは、ドイツ語の「メールヒェン」を指すのであるが、訳者はこの同じメールヒェンなる語を、本書の標題におけるごとく「童話」とも翻訳し、あるいはまた本序文のはじめにかかげた原著の逐語訳標題にみるごとく、これに「おとぎばなし」という訳語をもあてている。これについては、一言説明しておく必要がある。
元来「メールヒェン」というのは、「詩人の空想で作りだされた物語、ことに魔ものの世界の物語であって、現実生活の諸条件に拘束せられない驚異的な事件を語り、人は老若貴賤の別なく、それが信用のできない話とは知りつつも、おもしろがって聴くもの」