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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

線上閱讀辻村 伊助《スウィス日記(スウィスにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 216,275 字 · 410 頁

青空文庫

御茶がわりにコンニャックと雪を噛って、一息いれた後、いよいよここを発って、急な鋭い氷の山稜にとっついた。左はシュレック・フィルンまで切っ立ての崖で、右には深い深い底の方に、ラウテラール・グレッチェルが覗かれる、此のアレトは、千八百六十九年の夏、ここから辷り落ちて微塵になったと伝えられる、彼のエリオットの名をとって、エリオット・ウェンドリ Elliot W※(ダイエレシス付きA小文字)ndli と呼ばれておる。

「●エリオットウェンドリよりフィンシュテラールホルンを望む」のキャプション付きの写真

●エリオットウェンドリよりフィンシュテラールホルンを望む

私達は氷に足形を刻んで、静かにそのアレトを攀じ登った、グロース・シュレックホルンの頂上は、氷柱が無数に垂れ下った岩で、もうすぐ頭の上になったが、時間はなかなかかかって、氷から柔かい雪に変った山稜を、胸を躍らせてかけ登った時、腕時計は、丁度午前十一時三十分を示しておった。

絶頂の氷の上に、近藤君と抱き合って喜んだのはこの時である、グリュッセを叫んで、ガイド達と互いに堅く握手して、日の強い最高点に、躍り上って喜んだのはこの時であった。