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デカルトてつがくについて

デカルト哲学について

西田 幾多郎

線上閱讀西田 幾多郎《デカルト哲学について(デカルトてつがくについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,032 字 · 38 頁

青空文庫

そこに我々の自己が世界の自己表現の過程として、行為的直観的に見るのである。超越的なる神の媒介を要すると考えるのは、主語的論理の形式に囚れいるが故である。それは分らないものを、更に分らないものを以て説明するにほかならない。完全無欠なる存在というのは、自己自身によってあり、自己自身を限定するものでなければならない。それは表現するものが表現せられるものであり、自己自身を表現するものとしてあるものである。かかる存在形式においては、あるものは自己自身を証明するもの、自己自身を証明するものはあるものでなければならない。かかる意味において、神はそれ自身によってあり、それ自身によって理解せられるものとして、スピノザの如く、すべてあるものは神に於てあり、神なくして何物もあることもできず、理解することもできないということができるのである。冬の或日の夜、デカルトは炉辺に坐して考え始めた。彼は歴史的現実的自己として、歴史的現実において考え始めたのである。彼は疑い疑った。自己の存在までも疑った。しかし彼の懐疑の刃は論理そのものにまで向わなかった。真の自己否定的自覚に達しなかった。