輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

線上閱讀夢野 久作《ドグラ・マグラ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 424,847 字 · 824 頁

青空文庫

所謂、唯物科学的な研究、考察方法を、生命の綱と迷信している人々が、如何に否定しようとしても否定出来ない事実に直面しなければならぬ。

その第一に挙げなければならぬのは細胞が、人間を造り上げる能力である。すなわち生命の種子として母胎に宿った唯一粒の細胞は、前に述べた通りの順序で、分裂して生長しながら、先祖代々の進化の跡を次から次へと逐うて成長して来る。あそこはああであった。ここはこうであったと思い出し思い出し、魚、蜥蜴、猿、人間という順序に寸分間違いなく自分自身を造り上げて来る。しかも一概には云えないが、なるべく両親の美点や長所を綜合して、すこしでも進歩したものにしようとするので、耳、目、鼻、口の位置は万人が万人同様でありながら……これは妾の児だ。誰にも似ている。彼にも肖ている。癇癪の起し具合はお父さんに生き写しだ。物覚えのいいところは妾にソックリだ……なぞと極めて細かいところまで微妙に取合せて行く。その細胞一粒一粒の記憶力の凄まじさ。相互間の共鳴力、判断力、推理力、向上心、良心、もしくは霊的芸術の批判力等の深刻さはどうであろう。更にその細胞の大集団である人間が、宇宙間の森羅万象に接してこれを理解し、又はこれに共鳴感激して、国家とか社会とかいう大集団を作って共同一致、人類文化を形成して行く。