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ヒューマニズムへのみち
ヒューマニズムへの道
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《ヒューマニズムへの道(ヒューマニズムへのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,343 字 · 24 頁
には村山知義氏が「父たち母たち」という小説を書いている。かつて「白夜」を書いたこの作者は「思想関係の事件で起訴されたり投獄されたりの間の、自分の意志でどうともならなかった心の動きの秘密を知りたいという慾求」から「自分の血統に傾ける心」を持って「自分の一族」の経歴を溯っている。作者は、自身の蹉跌や敗北の責任を「自分の意志を作り上げこそしたと思われる古い昔の父たち母たちに押しつけなすりつけようという」思いを自身軽蔑しつつそれに引かされている自分をこの作品の中で認めている。
「父たち母たち」は作品としては皮相的に描かれていて、作者が自分の血の中に流れている望ましからざる血の源泉として描こうとしている祖父、父の姿は読者をその血のつながりの必然さに於ても納得せしめない程度のものである。けれども、この小さい一篇は、この作者が数篇の小説に於て所謂買われて来た面を破綻的に現していることで注目に価する。「希望館」とこの「父たち母たち」とでは作柄が違って見えるが、根本的な傾向として抽象的に人間性を取り上げている点では同じ性質の二作なのである。
プロレタリア文学が辿って来た発展の歴史を省ると、この人間性の抽象的な尊重という傾向は、ソヴェトの文学運動の過程にもかつてあったことである。