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ピストルのつかいかた
ピストルの使い方
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《ピストルの使い方(ピストルのつかいかた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 39,100 字 · 78 頁
ただ運八父子の手に成った……」
「勿論ですわ。――法界屋にお辞儀をなすった方が、この木菟入道に……」
おお、今度は木菟入道。
「挨拶をなさらないのは。――あなた、私ね、前刻通りがかりに、一度拝んだんですよ。御利益はちっともない。ほほほ、誰がこの下で法界屋を唄わせたり、刎ねさせたりするものがありますか。そんな事より、ただ大きな、立派なもの……もっとも、むくみが来て、ちっとうだばれてはいますがね。」
脊筋を捻じて、台座に掛けた秋の蝶の指の細さ。
「御覧なさい。余計な耳を押立てて、垂頬で、ぶよぶよッちゃアありゃしない。……でも場所が場所だし、目に着くことといったら、国一番この通りですからね。――この鶏を。」
……包みもしないで――翠を透かして、松原の下り道は夕霧になお近いから――懐紙に乗せたまま、雛菓子のように片手に据えた。
「あなた、折角、私がおさがりを頂いたんですからね、あの塚から、」
その古塚は、あわれ、雪に埋れた名工と、鼓の緒の幻の陽炎に消えた美女のおくつきである。
「二羽巣立をして、空へ翔けるように、波ですか、雲ですか、ここへ備えようと思って持って来たんですけれどもね、――ふふんだ、誰が、誰が……」