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ラジオざっかん
ラジオ雑感
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《ラジオ雑感(ラジオざっかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,067 字 · 11 頁
自由を許したとて、信徒の数にしても決してそう驚くほど多くはならないのである。
こういう意味からすると、ラジオが出来たためにわれわれの音楽を聴くことの享楽をいくぶん破壊されたとも云われるかもしれない。教育機関の立派になったお蔭でわれわれは学問することの法悦を奪われたというと同じ逆説的な申分ではあるが、いくらかそういう感じがなくはないであろう。
以上のような理由からして、自分と自分の宅のラジオとの交渉はかなり疎遠なものであった。それで時々故障が起っても、別に大した不便を感じないのであるが、それでもやはりその時々に修繕のために元買った百貨店へ持って行った。それが修繕する度に眼に見えて機械の感度が悪くなるのであった。それでいつか放送局でラジオ相談所として推薦した本郷の某ラジオ屋へ試みに修繕に出したら、今度は断然桁ちがいに感度を低下してしまって、もう拡声器では聞かれなくて、テレフォンでやっと聞こえるようになってしまった。機械を調べてみると、何とかいうあの蜘蛛の網の形をした捲線が新しく取換えられてあるのである。使いをやって元の古い捲線を返してくれと云ってやったら、「あれは捨ててしまった」