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ロボットとベッドのじゅうりょう

ロボットとベッドの重量

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《ロボットとベッドの重量(ロボットとベッドのじゅうりょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,963 字 · 18 頁

青空文庫

」

「永久の。」

「ロボットを学べ、鈴木金作。したい事をして、悔を感じない人生。」

「じゃあ、僕と、今、さよならしても、奥さんは、感じない? 何も?」

「あんたの出て行く、一歩、後から、次の男を求めに行く。」

「僕は、さよならしない。」

男は、眼に、手に、力を入れた。

「人間の男の取柄は、その情熱の昂進してくる所だけね。」

「ロボットの方が――」

男は、情熱が、血管の中で、溢れてきたのを感じた。夫人は、男の顔が近づくのに、押されるように、クッションの中へ、だんだん凭れ込みながら、

「自分の意志のままになるロボットもいいし、自分の意志以外の方法を教えてくれる男もいいわ。ロボットが、俊太郎が出来て以来、女性の感覚は、二倍によくなったわ。」

夫人は、朗かに笑って、じっと男の眼をみつめた。

四

「このベッドは、御前と、俺とだけのものにしておきたい。」

俊太郎は、凹んだ眼の中から、力のない表情でいった。

「ええ。」

「ここだけは、汚してはいけない。」

「誓うわ。」

「そうかい――じゃ、このロボットを大事にしてくれ。俺だと思って。」

「随分、精巧なのね。」

皮膚の感じ、体温、その素晴らしい機能、その微量の電気による魅惑的な刺激、それは、機械によって、感じる――機械によってのみ感じえられる、女性にとっても驚くべきものであった。