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せんきゅうひゃくにじゅうくねんいちがつ――にがつ

一九二九年一月――二月

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《一九二九年一月――二月(せんきゅうひゃくにじゅうくねんいちがつ――にがつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,457 字 · 23 頁

青空文庫

そしたら、始めて彼方の隅に一つ白い布のかかった卓子のあるのが見えた。

十九日 土

ひどい風だ。雪が降り出した。――臥たきりの自分には何もわからない。ただ目の前に日光のささぬ水色の壁があるばかり。ファイエルマン退院をするので、噪いで аптека へ買物に出かける話だ。

一番若い医者が来た。椅子にかけ乍ら

――どうですか

――ありがとう 相変らず

――昨日は 我々 随分頭を振った

――何故?

――悪いものが出た、永く臥てなくちゃなりませんよ

――というと? 重いというわけ?

――石はない。胆嚢炎らしいです

いよいよ病名がわかった。が、若い医者が好意的に話してくれたので、主治医は何にも説明しない。「よらしむべし」という風だ。

○夜、始めて独りで横わり非常に安静だ。然し 室にはまだファイエルマンの臥て居た寝台がある。静かな夜の中で、そこから彼女の寝息が聴えて来るような気がした。

この自覚から林町の家のことを偲い出し、憂鬱を感じた。さぞ 家じゅうに英男の若々しき二十一歳の息、跫音、笑声ののこりが漂って居ることであろう。そこに住む。やさしくないことだ。

○日

Gが来た。