輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いちにんならじ

一人ならじ

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《一人ならじ(いちにんならじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,312 字 · 21 頁

青空文庫

同情する者もあったが、概して悪い評判のほうが多かった、――すぐそばに手頃の丸太があるのに気づかないで、あたら片足を失ったということが、いかにも不たしなみに思えたからである。「がまん強いだけでも仕方のないものだ……」そういう言葉がいまさらのようにとりかわされるのを、大助も幾たびか耳にしたが、どう考えているのか自分では僅かに苦笑するだけで、それに就ては一言も弁解はせずに通した。

甲斐へ帰ってから間もなくのことだった。或る日ふと東堂舎人助が訪ねてきて、むすめ初穂との婚約を破談にしてくれと云いだした。

「人情としては云うに忍びないが、そのもとは再び戦場へ出ることのならぬからだとなった。これでは婿にと見込んだおれの志が外れるし、そのもととしても娶りにくいことであろう、こころよく無かったことにしてくれぬか」

ずばずばと飾りのない言葉が却ってうれしかった。大助は承知した。

「わたくしにはいささかも異存はございません……」

そう云ってすぐに話題を変え、この頃は鎧師の真似をしていると云って、部屋の一隅にひろげてある鎧おどしの道具をさし示した。当時の身分の軽い者はたいてい自分で鎧具足の繕いをやる。