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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

「恐れながら――」

右源太は、真赤な顔を挙げた。

「お言葉を返して恐入りますが、手前――昨日捕えられました大作は、似而非者と心得まする?」

「何?」

「或は、手前の討取りましたる大作が、似而非者で御座りますか――その辺、いかがかと存じまするが、相馬大作なる者は、三人も御座りまして、何れが本物やら――いろいろと南部領にて、取調べますと、判らないところが御座ります。白沢の駅で大銃を放とうと企てたのが、真正の大作か、渡し舟のが、当の本人か、どうも、出没自由にて、稀代の曲者と心得ます。手前の、討取りました大作も、その中のたしかに、手前の兄を殺しましたる、大作に相違御座りませぬが、外にも、どうも大作がいるらしく――それゆえ、大作を一人とお心得下されましては――と、恐れながら、御賢察下さりますよう――」

右源太は、こういって

(吾ながら、うまい)

と思った。

「ふむ」

曾川は、暫く、黙っていたが

「同一人が、三、四人も居ると申すのか」

「はい」

「それなら、それで、何故早く、そう申さん?」

「はい――余り奇怪な事柄ゆえ、或は、お取りあげに――」

「重大なことではないか。その方一存で、胸の中へしまっておくべき事柄とは、ちがうではないか」