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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

それと同時に木戸口から、門人達が出てきた。

「妨げすな」

と、走ってきた役人が叫んで、得物を構えて、立止まった。

「妨げすな、決して――」

真先の門人は、蒼くなって、立ちすくんでしまった。同心が

「素直に立去れば、咎めは御座らぬ」

と、いって、道一杯になっている役人に

「開けて、開けて」

と、手を払った。その間に、十二三人の役人は、柴折戸から庭の方へ廻って行った。門人達は、役人にお辞儀しながら、次々に出て行った。

三十一

一人が、玄関から

「頼む」

と、いって、片足を式台へかけた。それは、武家に対する、形式的な挨拶であった。返事をしても、しないでも、次には、土足のまま、踏込むのであったが、誰も彼も

(飛道具が――)

と、思っていた。そして、鉄砲が現れたら、音がしたら、地面へ平伏しようと、身構えていた。

「どうれ」

答えがあった瞬間、二三人の役人が、首をちぢめて、かがもうとした。正面へ、大作が、素手で現れて

「御苦労」

と、いった。真先の二三人は、式台から足を降ろした。同心も、与力も、暫く黙っていた。

「召捕にか?」

役人は頷いたり、目で頷いたりしたが、大作の素手が、何をするか知れぬ不安さに、呼吸を殺していて、答えられなかった。