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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

「真逆、背負って歩く訳にも行かぬ、又、誰か、心ある者でも、発見したなら、工夫の役に立つこともあろう」

「よく出来ましたに、惜しゅう御座いますな」

「惜しゅうて、役に立たんのが、ずい分いる。平山先生の如き――」

「全く」

と良輔が頷いた。

「参ろう」

大作は、残した物の無いのを確めてから、草の中を、静かに歩き出した。

「残念だ。津軽め、命冥加な」

良輔が呟きつつ、ついて行った。

「併し、わしも、命冥加だぞ」

大作が、振向いて、笑った。

五

「一足ちがいだった。残念な」

女狩右源太は、大声で、叫んだ。人々が、振向いた。

「警固、御苦労に存じます」

右源太は、役人に挨拶した。

「いや」

役人も、軽く頭を下げた。

「江戸から、大作を追うておりまして、ようよう手蔓を握ったかとおもうと、取逃しまして――」

「ほほう、江戸から――」

役人と、役人の周囲にいる木樵、百姓が、一時に、女狩の顔をみた。

「拙者は、南町奉行附同心、女狩右源太と申します。役目によって大作の手に倒れました兄の仇討なり、又二つには、役の表によって――」

右源太が、話している内に、役人も、あたりの人も、幾度も頷いた。