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あるくこと

三好十郎の仕事 第三巻

三好 十郎

線上閱讀三好 十郎《三好十郎の仕事 第三巻(あるくこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,472 字 · 667 頁

青空文庫

さればと云って、これ、どこへ訴えりゃええか、わからねえですからよ。

吏三 そいでも、川本さんよ、此処は村役場の世話係だかんねえ。カリンサンの事を訴えるちったってお前、……弱ったなあ。(コトコトと足音)ああ久我君、どこへ行くの?

吏二 学校。教科書が来たんですって。……(カタカタと歩いて、入口の押戸をギイと開ける。同時にコロコロと鈴の音)あら、又来た婆さま。そんな所に立ってねえで、おはいんなさい、さあ、よ。(相手を内に入れ、自分は出て行く。押戸がギイギイとゆれてしまる)

そめ はい、はい。(おじぎをしながら、受付台の方へ)

吏三 やあ、そうだっけ、今日は二十六日だった。どうも、こりゃ――

そめ 今日は、ええあんべえでございます。

ていねいに頭を下げる。

吏三 はい。(と、受けて)ええあんべえは、結構だけど、又来やしたかい?

そめ はい、あのう……私は、駒形村、字、鷲山の荒木源次郎の嫁のおかつの伯母で、ズーッと源次郎にかかりうどになっていやす、荒木そめと申します。ちょっくらお願いしたい事がありやして――

吏員 わかった。わかった。わかっていやす。

農夫 はあん、すると、これがシベリヤぼけの婆さまかなし? へえ、話にゃ聞いていたが――