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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《三好十郎の仕事 第三巻(あるくこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,472 字 · 667 頁
手カギをガツと材木に打ち込んで引きよせる響。
それにつれてジャブ、ジャブザブンと水の音。
人々の掛け声とはやす声。
それに混って佐賀という中都市の午前の物音。
道を通る自転車、荷車、遠くの工場のボーなど。
それらの音がしずまり、夕暮れの山形材木店の店先の風景になる。
店の前の道路を、通りすぎてゆく下駄の音。番頭二がそこらに水をまいている音。
通行人 あい、お晩で。
番頭二 お晩で。
その店の奥の土間から、カタカタと下駄の音をたてて出てくる仲蔵。
仲蔵 ああ、風呂にもいれてもろたし、久しぶりに佐賀の酒も飲んだ。やっぱしお神さま、日田の山奥の地酒よりや、町の酒はうめえです。
お銀 (帳場に坐ってソロバンの音をさせながら)相憎とうちのおやじは、博多の方へ入札に出掛けておって、酒の相手がなかけんなあ。
番頭一 なあに、仲蔵さんなあ、これから柳町へ出掛けて、酒の相手なら、いくらでもキレイな人の待っておらすけん、ハハハハ。
仲蔵 そ、そ、そんな、番頭さん……
お銀 ハハハハハ、なあに、仲さんよ、若かときやあ二度なかたい。会うてきんしゃい。相手が、あのおよねさんちゆう子ないば、私も、二三度会うて、よく知ってる。