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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,637 字 · 224 頁

青空文庫

きょうも健次郎の方には武家の子どもが加勢する。綱吉の方には町家の子どもが味方するというわけで、奥さんや女中が制してもなか/\鎮まらない。そのうちに健次郎をはじめ、武家の子供たちが木刀をぬきました。子供ですから木刀をさしている。それを抜いて振りまわそうとするのを見て、師匠の市川さんももう捨て置かれなくなりました。

「これ、鎮まれ、鎮まれ。騒ぐな。」

いつもならば叱られて素直に鎮まるのですが、きょうはお祭で気が昂っているのか、どっちもなか/\鎮まらない。市川さんは壁にかけてあるたんぽ槍を把って、木刀をふりまわしている二三人を突きました。突かれた者はばた/\倒れる。これで先ず喧嘩の方は鎮まりました。突かれた者は泣顔をしているのを、奥さんがなだめて帰してやる。町家の組も叱られて帰る。どっちにも係り合わなかった者は、おとなしいと褒められて帰る。壁にかけてあるたんぽ槍は単に嚇しの為だと思っていたら、今日はほんとうに突かれたので、子供たちも内々驚いていました。

その日はそれで済みましたが、あくる朝、黒鍬の組屋敷にいる大塚孫八という侍がたずねて来て、御主人にお目にかゝりたいと云い込みました。