輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

アリゾナのめとら

世界怪奇実話II

牧 逸馬

線上閱讀牧 逸馬《世界怪奇実話II(アリゾナのめとら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,877 字 · 91 頁

青空文庫

開始した。これが数箇月続く。が、ワラタ号の神秘を解く可き鍵の瞥見だに獲られない。難船なら難船で、何らかの形でそう認めることの出来る痕跡――例えば漂流物などを発見するのが普通だが、度びたび言う通り、此の場合は何一つそういう手掛りもないのだ。絶望と確定した後も、青錨汽船会社は尚三箇月間、責任の捜索船を置いて、延べ航程一万五千海里も附近一帯の海上を遊弋させてワラタ号の破片でもと探し求めたが、これ又何の得るところもなかった、爪立ちして待っている陸の会社へ、捜索船隊は次ぎつぎに失望を齎して帰って来る。最早ワラタ号の行方不明に関して、一つとして満足な説明はないのである。今日まで無い。

その当時、多くの人が多くの理論を提げて、此の神秘に断案を下すべく現れた。

A説――ワラタ号は機関に重大な故障を生じて、廃船状態の儘、まだ何処かの洋上を漂っているに相違ない。きっと舵のコントロウルを失って、遠く南極洋へ彷徨い出たのだろう。そうだと、不安と飢餓と寒気が、乗っている人を一人ずつ歯のこぼれるように殺しつつあるだろう。そして、その行手に待っているものは、文明社会との永遠の絶縁だけだ。