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アリゾナのめとら

世界怪奇実話II

牧 逸馬

線上閱讀牧 逸馬《世界怪奇実話II(アリゾナのめとら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,877 字 · 91 頁

青空文庫

船と一緒に行方不明になるために、この乗組契約に署名のペンを走らせた人達だ。前に言ったように乗組員百十九名濠洲の港にあちこち寄港した後、七月七日、アドレイドを出帆する。Adelaide ここは、タスマニア海峡をすこし北上したところで、筆者も訪れたことがある。如何にも濠洲らしく鄙びてはいるが、鳥渡した港町で、大学などもある。このアドレイド港で濠洲に離れたワラタ号は、同月二十五日に南亜のダアバンへ着き、補炭とともに、新たに二百四十八噸の貨物を積み込む。で、一万噸以上の積荷で二十六日ダアバン港を出たと言われているが、次ぎの寄港地は、何度も言う通りにケエプ・タウンである。翌二十七日の午前六時に、ワラタ号より数時間先だってダアバンを出港し、イースト・ランドンへ向っていた例のクラン・マッキンタイア号―― The Clan Mackintyre ――を追い抜く。その時、両船の間に交換した信号の会話の中に、

クラン・マッキンタイア「濠洲よりの途、貴船は如何なる天候を持ちしや」

ワラタ「南西及び西の稍強風、横風」

クラン・マッキンタイア「Thanks, Goodbye Pleasant passage」