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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第二巻(『せっかずせつ』のけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 頁
一番それに近いものを拾い出してみるとすれば、花相撲で村一番の名力士が、堂々と相手を押し切った場面などを想像してみることが出来よう。しかしその時に揚がる声にも、何処かに勝鬨めいたものが雑っていて、今日吾々が、テニスコートの側できく、あの輪廓の円いそして大きいながらに軽いところの現代の声ではなかった。
私はこの話を、昔の日本人と今の日本人との間には、喜怒哀楽の感じ方にまで差があるということの一つの例として面白く聞いた。それにもっと重大なことは、この裂帛の気合というものが、ひょっとすると、今日やかましく論ぜられている「日本精神」の一つの大切な要素をなしているのではないかという点である。
勿論すべてのその種の議論がそうであるというわけではないが、ある人々の訓詞などをラジオを通じて聞いてみると、その語調には勿論のこと、論旨の基調にも、この裂帛の気合が脈々と流れているように私には感ぜられることが多い。
ところで、こういう裂帛の気合というようなものが、日本人の生活の奥に初めからあったものか、あるいは案外近頃になってはいってきたものか、例えば徳川時代の武士の病的な精神生活などから醸し出されたものではなかろうかという点になると、私には全く分らない。