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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第二巻(『せっかずせつ』のけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 頁
その方面の研究は勿論、その消え去りつつある吾々の祖先の生活の姿をよびとどめるために、有力なたすけを与えるものであろう。しかしこの仕事は、いわば、流れの上に書いた文字を捕えようとするような性質の仕事である。そういう性質の仕事であるとすると、それは単に、土俗学や民俗学の方面の科学的研究だけで出来るものではなくて、文学や音楽などのいわゆる芸術の力をも多分に借りる必要があるであろう。「グリムやアンデルゼンは北欧民族の「民族的記憶」の名残を惜しんで、それを消えない前に喚び返してそれに新しい生命を吹込んだ人ではないかと想像される」からなのである。
寅彦先生の「冬夜の田園詩」を読んでからもう数年になる。
その間に私はこの方面の本を気にかけながらも、何分専門の仕事とは縁遠い話なので、つい探してみるほどのこともなくて過ぎた。ところが今度何気なく柳田国男氏の『木綿以前の事』を読んで見て、この本が、ある意味ではやはり吾らの祖先の民族的記憶を探ろうとする試みの一つであることを知って、大変なつかしい気がした。
柳田氏の民俗学的研究のことを、今更事新しく述べるのも妙な話であるが、この本の一つの新しい試みは、何でもないただの昔の日本女性の姿という非常にむつかしいものを、俳諧の中から探し出そうとした点にあるのである。