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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
線上閱讀壺井 栄《二十四の瞳(にじゅうしのひとみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 頁
「うちのねね、ユリエって名前つけるん」
「ユリエ? ふうん、ユリコのほうが気がきいとら」
はねかえすように小ツルがいった。松江は胸をはって、
「それでも、小石先生、ユリエのほうがめずらして、ええっていうた」
小ツルはわざととびあがって、
「へえ、なんで小石先生が。へえ!」
なにかをさぐりあてようとでもするような目で松江の顔をのぞきこみ、
「あ、わかった」
ならんでいたミサ子をうしろの方へ引っぱっていって、こそこそささやいた。富士子、早苗、コトエとじゅんじゅんにその耳に口をよせ、
「なあ、そうじゃな」
おとなし組の三人は小ツルの言い分にさんせいできないことを、気弱な無言であらわすばかりで、松江を孤立させようとした小ツルのたくらみはくずれてしまった。よく気のあうマスノが、今日は母の店によって、ここにいないのが小ツルの弱さになっていた。彼女はみんなに、松江がひいきしてもらうために、ひとりで小石先生にへつらったといったのである。そのためにかえってじぶんから孤立した小ツルは、ひとりふきげんにだまりこんで、とっとと先を歩いていった。みんなもそのあとからだまってついていった。