輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

線上閱讀壺井 栄《二十四の瞳(にじゅうしのひとみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 頁

青空文庫

三、四年の組がさっさと教室へはいっていったあと、大石先生はしばらく両手をたたきながら、それにあわせて足ぶみをさせ、うしろむきのまま教室へみちびいた。はじめてじぶんにかえったようなゆとりが心にわいてきた。席におさまると、出席簿をもったまま教壇をおり、

「さ、みんな、じぶんの名前をよばれたら、大きな声で返事するんですよ。――岡田磯吉くん!」

背の順にならんだので一番前の席にいたちびの岡田磯吉は、まっさきにじぶんが呼ばれたのも気おくれのしたもとであったが、生まれてはじめてクンといわれたことでもびっくりして、返事がのどにつかえてしまった。

「岡田磯吉くん、いないんですか」

見まわすと、いちばんうしろの席の、ずぬけて大きな男の子が、びっくりするほど大声で、答えた。

「いる」

「じゃあ、ハイって返事するのよ。岡田磯吉くん」

返事した子の顔を見ながら、その子の席へ近づいてゆくと、二年生がどっと笑いだした。本ものの岡田磯吉は困って突っ立っている。

「ソンキよ、返事せえ」

きょうだいらしく、よくにた顔をした二年生の女の子が、磯吉にむかって、小声でけしかけている。

「みんなソンキっていうの?」