輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

線上閱讀壺井 栄《二十四の瞳(にじゅうしのひとみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 頁

青空文庫

三 米五ン合豆一升

「せんせえ」

「おなごせんせえ」

声をかぎりにさけぶものもいる。小石先生は身動きもできず、目をつぶったまま、だまってその声におくられた。

「せんせえ」

声はしだいに遠ざかり、船は入り海のまん中に出た。朝、魔法の橋をかけた海を、先生は今、痛さをこらえながら、かえってゆく。

三 米五ン合豆一升

十日すぎても、半月たっても女先生は姿を見せなかった。職員室の外の壁にもたせてある自転車にほこりがたまり、子どもたちはそれをとりまいて、しょんぼりしていた。もう小石先生はこないのではないかと考えるものもあった。本校がよいの生徒にしてもそうだ。先生の自転車がどれほど毎日のはげみになっていたか、めいめいが、長い道中どれほど小石先生の姿をまっていたか、小石先生にあわなくなってから、そう思った。村の人にしても同じだった。だれがどうというのではなく、不当につらくあたっていたことを、ひそかに悔いているようだった。なぜなら、小石先生の評判がきゅうによくなったのだ。

「あの先生ほど、はじめから子どもにうけた先生は、これまでになかったろうな」

「早うなおってもらわんと、こまる。岬の子どもが、先生をちんばにして、てなことになると、こまるもん。